see the light  #03 | 村上 将城
本文32P, 148mm×210mm
三つ目綴じ

写真を撮っていると、展示などで表に出ない写真たちが日々ストックされていきます。こうした写真たちのことは – 写真に記録されているように – 撮影した場所、その時の状況とイメージがセットになって、どこか頭の片隅に残っているものです。ふとした瞬間に思い出し、次の瞬間には、またどこかへ追いやられてしまうのだけれど。

こうした埋もれたまま眠っている写真たちを冊子にまとめてみようと思ったのが、この「see the light – 」シリーズの始まりです。

see the light –  #03では今年1月に展示で訪れたタイで撮影した写真をまとめています。久々訪れたバンコクはコロナ以前と変わらない、いや、それ以上に活気で満ち溢れていました。暖かい(むしろ暑い)中、街を歩き、スクーターの後ろに乗って街を往来しながら、漠然と人と街に流れるゆとりを感じていました。潔癖さを求める、同調圧力が溢れる世界とは程遠い、小さなことなど気にせず、許容してくれる感じでしょうか。街中に張り巡らされた電線と、自由に育っている街路樹たちを見ていると、すーっと肩の力が抜けていくのです。